山のある休日 - Go mountain -

山に登って、思ったこと感じたことを率直に伝えていきます。その先に「山っていいな」「登山はじめてみようかな」と思っていただければ。

仙ヶ岳【三重県】|鈴鹿セブンマウンテンの前座、西と東のツインピークス


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2020年3月15日。

棚ぼたで発生した4連休を使って、鈴鹿山脈の一端でタレントどころの御在所岳や鎌ヶ岳に比べ少しマイナーな仙ヶ岳にいってきました。標高は961mと侮るなかれ、仙鶏尾根への登りが容赦ないです。

今回は帰りのルーティンとなってる温泉プランを省いたので少しゆっくり目の5時半にK氏車でお迎え。
毎度のセブンで昼食等の調達とホットコーヒーを飲んで脳を覚醒させます。

第二京阪新名神と進んだところで降りるはずの鈴鹿スマートICをナビがロストさせるアクシデント発生。

なぜか道のない山の中を進み出す始末。

iPhoneのグーグルマップで確認するも間違っていないのにナビは果てなく「右方向です」を繰り返し戻ろうとさせます。
K氏に聞くともうかれこれ5年もアップデートしていないとのこと。
鈴鹿スマートICが昨年3月に開通したことを知らなかった不憫な子です。
知らなけりゃそりゃ案内もできません。みなさんも目的地に行く時はルートが合ってるかきちんと事前確認をお願いします。
危うく山に入る前に遭難するところでした。笑えません。

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鈴鹿スマートICからはほんの数分で小岐須溪谷キャンプ場の駐車場に到着。仙ヶ岳、宮指路岳に登る人はここを通過した先にあるもうひとつの駐車場に止めるのがオススメです。
ここに止めると何にもないアスファルトの道を延々と30分も歩く羽目になりましす。私たちは下調べが足らず、ここに止めて、先の駐車場を見て固まったクチです。
私たちが身を滅ぼし掴んだ情報です。必ず活かしてください。でなくば死んでも死にきれません。先がいっぱいなら戻ってくればいいだけです。

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ログハウス風なトイレ。その奥が入道ヶ岳の登山口です。

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↑こちらでございます。

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そりゃいます。むしろ彼らの居住区に私たちが踏み込んでるので何かあっても文句言えた義理じゃありません。

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延々30分の道がこちらになります。

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午後から次第に下り坂の予報なので今のうちに拝んでおきます。

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水場です。車の人も脇に停めてくんでいけます。

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このガードレールの間を1分行った先に屏風岩があります。正しくはあるそうです。「帰りに寄ろうぜ」と言ってちゃんと素通りして帰ってきました。なんでも世の中後回しはよくありません。

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進行方向右手に出てきます。宮指路岳はこちらから。これも先の駐車場に停めた方が圧倒的に近いです。2分戻るくらいですみます。

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で、こちらが先述から言ってる先の駐車場。10台は停めれそうです。入道ヶ岳へ向かう人は手前の駐車場に停めましょう。

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立入禁止とありますが進んで問題ないありません。

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数匹なら“かわいい”って言うのにこの数だと“きもちわるい”ってなる人間のエゴ。おたまじゃくし君に罪はありません。


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標識があってもよさそうなちょっとした橋(名前忘れた)を渡り左へ向かいます。


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長い長い林道のはじまりです。
仲の良い人とでないと永遠の沈黙になるであろう何のアクションもないただの道です。

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林道の終点。おつかれさまです。
帰りもこれを戻るのかと思っただけで多少精神が参ってしまうのは、来た方にのみわかりますので、楽しみにしていらしてください。

ここが仙ヶ岳への玄関になります。長い長いウォーミングアップで温まりきった体がを欲しています。


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ケルンに定義はないのでしょうか?よくタテよりヨコに育っているタイプも見ますが、創造性の話で特に問題はないと解釈して先に進むことにします。


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このあといくつか出でくる渡渉(としょう:主に橋のない川、沢を渡ること)のひとつめです。前の日が終日雨だったので心配していましたが、問題なく渡れました。

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行く道は終始ウエットです。


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山の異常な水質の良さにも最近では慣れてしまい感動が薄いのが残念です。

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尾根という活字を見ただけで凄まじくテンションが上がる件は私だけではないはず。山に来た感を強めてくれます。

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木漏れ日がいい演出をしていますが、実際はなかなか強めに鞭を振ってくる登りなので、現場では全くもってこの演出を満喫できていません。

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ショウジョウバカマがちらほらと。

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雪の時期は遠慮したい箇所です。

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すれ違うのは難しいほどの道幅です。どうしてここを道にしたし?

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ロープを使って登るのはこの1箇所のみ。難易度はこの後の工程も含め高くはありません。

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奥に伊勢湾が見えます。最近は見ても琵琶湖だったので山からの海は久々です。でも大きな水溜まりというジジの定義では湖も海もあまり見た目変わりません。

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岩場が続きそうな雰囲気はフェイクです。息を切らすほどの急登がまた始まります。


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意外と天気ももっています。

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コース外では歩く横でカラカラと音を立ててい花崗岩が崩れるところは見ましたが、これといって崩落してる箇所はありませんでした。鈴鹿山脈の中央から南は花崗岩で成形された所が多く、風化も激しいです。
自分に孫が出来るような歳になったときにはコースが大きく変更されているかも知れません。その頃には登山は仮想現実なんかで楽しむようになっているのでしょうか?

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途中から風が強く、風を遮るもののない山頂では困るので、もう20分というところですが、手前でお昼にします。
今日は近くのスーパーで前日購入していたフライパンで炒めるだけのちゃっちゃっと飯です。
じっとしていると指先がジンジンするくらい寒いので優雅なアフタヌーンとはいかず、食後のコーヒーもクッキーも流し込みリスタートします。手袋やダウンはまだまだ必須アイテムです。


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歩き出してもまもなくして現れたのが仙の石のある分岐点です。眼下に見えるのが新名神です。あれが開通したおかげでそれまで渋滞がなくなったのだとか。どれほどひどい渋滞だったのか普段使用しない私に知る由もありませんが、文明の力とはすごい。渋滞も我々が作り出した文明です。


案の定ですが、風がビュンビュン抜けていきます。あのポジションでの昼食は正解だったようです。

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これが仙ヶ石です。これを見にわざわざ遠方から足を運ぶそうです。

仙ヶ石で団体様の写真撮影会が行われており、そこそこの賑わいを見せていましたが、この日はお弁当を広げている人は見かけませんでした。眺望がいいのでここでのおにぎりは格別でしょう。

一通り写真も撮り終えたので、東峰じぇと進みます。


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このブログを見ての仙ヶ岳に登る方がいらっしゃったら持ち物にアロンアルファの追加をお願いします。

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霜柱も今年はもうおそらく見納めです。

 

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先々行くはいいが、道順を毎回全く頭に入れずにくるK氏。まっすぐいけ!まっすぐ。

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眺望の全くない東峰に比べれて良い眺めです。山頂から小さくなった市街地を眺めるのもいいんですが、個人的には海であったり、山が連なる様子の方が好きです。

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いつもは金魚のフンよろしくで後ろ着いてくるクセに珍しく今日は先々行くK氏。これが俗に言うトレッキングハイという状態でしょうか?

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シャクナゲ?です。街やホームセンターの園芸コーナーで見てもなんとも思わないのに、山で見ると尊く思えるマウンテンマジック。

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確認しづらいですが、なかなかの横雪です。東峰も西峰も周り本日のハイライトは済んだのでここからは流すだけです。そしてこのタイミング雪が風に乗って突進してきます。私たちの行動をジッと見ていたのか絶妙なそれで崩れ、神様の存在を多少でも認めなくてはならない方向になっています。

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ここからはもうひたすら下るだけです。景色うんぬんの欠片もありません。

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こちらのルートも渡渉が数箇所あります。

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1時間振りくらいにザックからカメラを引っ張り出しパシャリ。この先は行きしなに通った林道なのでまたすぐにザックにカメラはリターンです。
やはり駐車場までは遠かった・・・。私の犠牲(勝手に手前に止めた)を無駄にしないためにも必ず奥の駐車場に止めてください。下山後のアスファルト道は楽しかった登山の記憶を薄ーく平たーくクレープのように伸ばしてしまいます。
8時50分に駐車場を出て、戻ってきたのが15時25分なので、ざっくり5時間半の登山でした。奥の駐車場からのスタートなら往復で40分近くは短縮できると思うので参考にしてください。
下山後は新名神に乗る帰り道にある鈴鹿PAに立ち寄りました。登山後、お馴染みの温泉は今回オプションに入れていないのでぶらぶらする時間がたっぷりあります。


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鈴鹿PA。おそらく裏手だと思います。駐車場から直接本線と下道とに繋がっており、案内板は多いもののかなり複雑な作りのPAです。

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コンビニやお土産を買うところもあり、フードコートも広く、充実しています。家で食べる晩御飯の伊勢うどんと帰りの車中でのおやつに練り物をゲット。よくある串に刺してフードケース(?)に入れて売ってるやつです。これとコロッケは見たら勝手に財布を開けていることが多いです。

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鈴鹿と言えば鈴鹿サーキット鈴鹿サーキットと言えばF1カーです。

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中部限定のご当地微糖ボスです。普段はブラックしか飲まないのですが、ご当地ものには弱いので買ってしまいました。各地で好みの甘さがあるのでしょうか?

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PAを出てからもまだ少し時間があったので土山SAで降りて田村神社へ。助手席でググって見つけた即席観光です。場所は滋賀県甲賀市
主祭神(主として祀られる神様)を坂上田村麻呂としているそうです。
歴史の授業で習っているはずなのですが、すごい武士で征夷大将軍にいたということしかふわっと出てきません。きちんと授業を受けていれば今頃、一軒家でも建ててそれなりの企業でそこそこの地位にいられたのかもしれないな、なんて考えると涙が零れそうになります。

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特大破魔矢です。迎えにきてくれたお母さんの足元に駆け寄る子供の如く走って近づいて見るとしっかりとした鉄製の破魔矢でした。耐震強度的な問題とかありますしね。
でも、木製であって欲しかったというのはエゴです。

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こちらが本殿。とても立派な造りです。時間も17時を回り、雨がパラパラ降っていたせいか私たち以外は誰もいませんでしたが、お正月とか祭事事の際はすごい賑わいでしょう。その時期にはコロナウイルスも終息して例年通りの新年を迎えられるといいのですが。

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主に合格祈願の絵馬がたくさんかかっています。高校受験は名前を書いときゃ入れると言われた地面すれすれで底辺な私立高校に行き、大学受験も就職もせず、高校卒業後フリーターの道を選んだ私にこの合格の文字は神々しさすらあります。合格とか願い込めて人生で一度でもいいから書きたいななんて普通に思ってしまいました。

鈴鹿PA田村神社ももし時間があるようなら立ち寄ってみてください。次に来る際はやっぽんぽんの湯が気になっているので立ち寄った際には記事に盛り込みたいと思います。

いかがでしたでしょうか?仙ヶ岳は。
鈴鹿山脈にありながら鈴鹿セブンマウンテンの山々の名前の下に小さくなってしまっている山ですが、景色も良く渡渉箇所やなかなかの急登もあり、登山してるなという気持ちにさせてくれる素晴らしい山でした。みなさんも機会があればぜひ登ってみてください。ルートもですが、駐車場もきちんと調べていってくださいね。