山のある休日 - Go mountain -

山に登って、思ったこと感じたことを率直に伝えていきます。その先に「山っていいな」「登山はじめてみようかな」と思っていただければ。

御在所岳【三重】|鈴鹿セブンマウンテンズの一角で初の1000m峰の頂に挑戦

f:id:play_mountains:20200430224453j:plain

2017年5月14日

三重県はセブンマウンテンズの一角、御在所岳にいってきました。
登山を始めて半年、前回の霊仙山で初の1000m超えを迎えるはずが、生憎の悪天候に8合目付近で引き返すというアクシデントが発生し、成就しませんでした。その悲願を達成すべく、御在所岳にやってきた次第です。
なぜ霊仙山にリベンジしなかったかというと霊仙山は1000m超えプラスアルファで福寿草を見るというふたつの目的がありましたが、もう福寿草の時期は過ぎてしまったので霊仙山はまた翌年以降チャレンジするとして、矛先を次点で候補に上がっていた御在所岳に合わせたのです。
ここは中登山道ルートの途中にある名物キレットをこなしてみたかったので目指す山のリストに早くからピックアップしてありました。
今まで技術面を必要とする山には触れてこなかったので、今回これでひとつのレベルアップを計ったわけです。大人の階段を登るというやつです。今回のキレットは下りますが。

f:id:play_mountains:20200430224307j:plain

6:35
ご機嫌にオレンジジュースを飲みながらリクライニングを倒し、助手席でさながらティファニーです。横でハンドルを握るのは相棒K氏です。


f:id:play_mountains:20200430224311j:plain

名阪国道という名の無料高速道路をひた進みます。

f:id:play_mountains:20200430224316j:plain

バブルの時の遺産でしょうか?似たようなのをいくつかすぎていきました。どれも独創的な造りでその当時の浮かれ具合が語りで聞くより具体的にわかります。

f:id:play_mountains:20200430224320j:plain

9:30
ロープウェイ乗り場の駐車場に到着です。観光バスも停まっていたり、2階もあったりで、かなりの収容台数のようです。

f:id:play_mountains:20200430224325j:plain

今回の登るルートはもっともポピュラーな登山道と紹介されている中登山道です。駐車場のトイレを正面に見て左側、観光バスのおしりを見ながら脇道に進んでいきます。突き当たりの階段をくだります。

f:id:play_mountains:20200430224330j:plain


f:id:play_mountains:20200430224341j:plain

廃墟ハンターと化すK氏。一昔前まではよく栄えていたとおぼしき旅館です。もう数年待てばいい具合に育ちそうな物件です。近くにはまだ経営を続けている旅館も数件並びます。

f:id:play_mountains:20200430224350j:plain

f:id:play_mountains:20200430224355j:plain

登山届は必ず出しましょう。自分を守るためです。
この後まだ2箇所ほど出せるところがあるので、ここで出し忘れても大丈夫です。

f:id:play_mountains:20200430224400j:plain

f:id:play_mountains:20200430224404j:plain

標識乱立問題。

f:id:play_mountains:20200430224409j:plain

10:10
ここからスタートです。見逃しようがありません。

f:id:play_mountains:20200430224955j:plain

序盤からこれまでの登山とは違うザレた足下にテンションがあがります。この先に一回り大きくなった自分がいる予感がしてきました。

f:id:play_mountains:20200430224418j:plain

イワカガミ。THE山の花。

f:id:play_mountains:20200430225245j:plain

わずか数分程度で山頂まで駆け上がる恐ろしい文明の力です。見上げるこちらは「あんなもんで、楽して山頂に立って何が楽しい?」と思い、向こうからは「こんな便利なもんがあんのになんでわざわざ時間浪費して歩くし?」なんて思われてるに違いないという被害妄想の噴煙が上がります。

f:id:play_mountains:20200430224430j:plain

10:35
いつの間にかすでに4合目な件。


f:id:play_mountains:20200430225104j:plain

おぼれ石ではなく、おばれ石です。
お約束通りとりあえずおぼれるK氏。

f:id:play_mountains:20200430224439j:plain

芸術派ケルン。バランス感覚がえぐい。

f:id:play_mountains:20200430224445j:plain

ガスの中に吸いこまれて行くゴンドラの行く先は…。

f:id:play_mountains:20200430224450j:plain

10:45
5合目がやけに近いです。

f:id:play_mountains:20200430224453j:plain

10:55
御在所岳といえばこれです、これ。地蔵岩。
決して落ちないということから受験シーズンには多くの人が願掛けに訪れる有名スポットです。こちらは違う意味で落ちないよう登山の無事を祈ります。

f:id:play_mountains:20200430224459j:plain

11:05
本日のメインディッシュのキレットです。写真ではなかなかの高度感ですが、実際立ってみると大したことはありません。小学生のお子さんでも行けちゃいますが、スニーカーだったり雨の日だとグリップ効きづらいので慎重に降りてください。

f:id:play_mountains:20200430224509j:plain

下から見上げるとこんな感じです。

f:id:play_mountains:20200430224503j:plain

f:id:play_mountains:20200430224514j:plain

この頃のK氏はまだデイバッグです。まだまだ青かったな。

f:id:play_mountains:20200430224519j:plain

11:25
やっとこさ1000m超え、ここからは未踏の地です。

f:id:play_mountains:20200430224527j:plain


f:id:play_mountains:20200430224531j:plain

フデリンドウがあちこちに咲いています。まだまだ花を愛でるくらいの体力は残っています。

f:id:play_mountains:20200430225135j:plain

f:id:play_mountains:20200430224915j:plain

7合目で少し立ち話をした親子をパシャリ。お父さんと息子さん。年齢を聞くとまだ8歳だそう。この歳ってお父さんが無理に自分の趣味に子供を引きずり込むイメージがあったのですが、こちらは珍しく逆のパターンのよう。息子さんがお父さんを朝早くに布団から引っ張り出して山に連れてけと言われるそう。こういう関係が憧れで羨ましい。

f:id:play_mountains:20200430224546j:plain

11:45
1111mで並びがいいからここを8合目にしたのか?と思い、この〇合目の定義について少し調べてみました。
特に規定などがあるわけではないようです。でもたいがいの山で見られる規則としては麓から中腹までは間隔が広く、山頂に近くなるにつれ詰まってくるようです。確かに1合目から2合目なんかはやけに長いのに8合目から9合目、山頂なんかは間隔が短いような…。
これは序盤はまだまだ体力があり、長く設定しても長く感じないという観点からだそうです。逆に体力がすり減ってくる中腹以降はまだかまだかと長く感じるので間隔が短い。あとは励ましの意味もあるようです。私は全然知りませんでした。ちなみに富士山なんかはルートが多く、同じ8合目なんかでも標高が全く違うそうです。結構曖昧だな。

f:id:play_mountains:20200430224553j:plain
f:id:play_mountains:20200430224559j:plain

12:00
富士山が見たいとか高望みしてはいけません。天気が崩れなかっただけで勝ちです。

f:id:play_mountains:20200430225043j:plain

f:id:play_mountains:20200430224612j:plain

ロープウェイという活字にこれ程心躍るとは。行きしなは見上げながら小馬鹿にしていましたが、すぐに手のひらを返して「使えるもんは使っちゃえ」というなんとも反逆者に相応しいふたり組です。

f:id:play_mountains:20200430225209j:plain

ビクトリーロードと、

f:id:play_mountains:20200430224623j:plain

ビクトリーピース。

f:id:play_mountains:20200430224630j:plain

先のこんもりした丘の上に一等三角点があります。

f:id:play_mountains:20200430224635j:plain

12:20
駐車場を出発しておおよそ3時間、山頂に到着です。なんとも立派な山頂標識です。個人的には少し古びたようなアジのあるものが好みです。

人の群れが出来ていたので前に立つのは諦め横から控えめに撮っておきます。

f:id:play_mountains:20200430224640j:plain

チキンラーメンが…。
よくネットで見ていた気圧の変化で膨張するアレです。メカニズムはあまりわかっちゃいませんが。

f:id:play_mountains:20200430224646j:plain


f:id:play_mountains:20200430224650j:plain

麓の駐車場の他、山頂にもトイレがあります。道中はありませんので、頭に入れて登山をスタートさせてください。

f:id:play_mountains:20200430224654j:plain

人はすぐ簡単に手のひらを返すといういい例です。片道1,240円です。
手を出してしまいました。観光地化した山頂でロープウェイの駅に吸い込まれていく人を見てたら、もう下るの面倒くさくなってお金で解決したとは言えません。

f:id:play_mountains:20200430224659j:plain

あっちの方角に富士山とかいう山があるらしいですが、きっとまぼろしでしょう。

f:id:play_mountains:20200430224706j:plain

街行きの服装の比率が高くこっちが逆に浮く件。関西だと摩耶山伊吹山でしばしば見られる現象です。

f:id:play_mountains:20200430224714j:plain

無情だけど快適です。すごくモヤモヤしたものを感じながら外を見つめています。でも快適です。大事なことなので2回言います。

f:id:play_mountains:20200430224718j:plain

下りたら売店等が開いていて、行きにはなかった賑わいを見せています。パン屋さんと言えばフランスのイメージですが、スイスも有名なのでしょうか?スイス直輸入とは?

f:id:play_mountains:20200430224723j:plain

自販機コーナーも充実しています。

f:id:play_mountains:20200430224727j:plain

下山時に使う予定だった体力がそのまま残っているので、ちょっと不完全燃焼な感じはありますが、これも登山です。別に前日から練っていたルートや時間もその通りでなく臨機応変に、柔軟に組み替えればいいし、それが出来るのも山です。

f:id:play_mountains:20200430224731j:plain

ルーティンと化した立ち寄り温泉。今回はロープウェイの中でばばっと検索して引っかかったアクアイグニスです。画像で見る限り広さもそこそこで何よりロープウェイの駐車場から車で10分という好立地。寄ってけと言われているようなもんです。
運転席で指さし「ここ?」と問うK氏。グーグルマップを見ながら縦に首を動かす私。ただの温泉施設を予想していたわたしたち。地方のショッピングセンターくらいはあるんじゃないかという駐車場の広さで、この日はメインどころが満車なのか少し離れた第三駐車場?に案内されました。

f:id:play_mountains:20200430224229j:plain

温泉だけのつもりできたのが、なにやらパン屋さんがあったり、イチゴ狩りなんかもできるようでさながらテーマパークです。

f:id:play_mountains:20200430224239j:plain

温泉どこ?‹‹\(´ω` )/››

f:id:play_mountains:20200430224244j:plain

施設だけでなく温泉も広いのなんの。大型テレビのある温泉なんて初めてです。さすがに写真は撮れないので是非楽しみにして訪れてください。お風呂を上がったあとはこのスペースでうだうだしていました。家の近くにあったら週3で来るやつです。
側にイチゴ牛乳なる飲み物がありをその場でミキサーにかけて仕上げるそれに無意識で財布をあけていました。
温泉出てすぐのとこはズルい。ハマらないと先に進めないタイプのトラップです。

f:id:play_mountains:20200430224249j:plain

K氏の要望でパン屋に寄ります。時間がいくらあっても足りないほど充実した施設です。
過去何十箇所と登山帰りにあちこち寄っていますが、片手には入る上位スポットです。

あまり居てると定住してしまいそうなので、ギュッと掴まれた後ろ髪の手を巴投で振りほどき帰路につきます。リピート必須です。またきます!

f:id:play_mountains:20200430224254j:plain

トイレ休憩に酔った名阪国道の伊賀ドライブインです。レストラン名が満腹の術…。こんなにも堂々としていると怪しさ<興味になるのが不思議です。
入りたかったのですが、すでにパンをほおばり満腹の術にかかってしまっていたのでスルーします。

f:id:play_mountains:20200430224259j:plain

忍ジャエール。もちろん買いました。味はもちろんジンジャエールでしたが、これで私も明日から忍者になれるものだとばかり思い、朝起きた時のショックは今でも忘れません。今思えば多分量が足りていなかったのでしょう。伊賀を訪れることがあればケースでの購入をオススメします。すぐ忍者になれます。

今日を終えて

今回紹介したルートの中登山道。ひと言で表すなら楽しかったが一番しっくりきます。駐車場から山頂はではおおよそ3時間。アスレチック要素、見どころも多くとても満足度の高いルートでした。御在所岳はルートもたくさん設定されているので、違うルートもいずれチャレンジしにくることでしょう。登山関連の書籍で紹介されている画では紅葉の時期のものが多いので、再訪は秋に。
もうちょうど3年も前かとブログを書いてる途中で写真を見て振り返ると私のザックがもう4代目な件。30L前後のものでです。自分では良いものに出会うべく変えているつもりですが、これをきっと飽き性と言うのでしょう。

おしまい