山のある休日 - Go mountain -

山に登って、思ったこと感じたことを率直に伝えていきます。その先に「山っていいな」「登山はじめてみようかな」と思っていただければ。

山上ヶ岳【奈良】|孤高の存在、日本で唯一女人禁制の山


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2020年8月22日
奈良県山上ヶ岳に行ってきた時の話です。

山上ヶ岳奈良県の南部から和歌山県にある熊野本宮大社まで続く大峯奥駈道を縦走する際の序盤に登場する山です。標高は1700mを超えており、関西100名山では上から5番目に位置します。
山頂には大峯山寺があり、毎年5月3日の戸開式から9月23日の戸閉式の間のみ参詣することができ、多くの登山者で賑わいます。

ですが、ひとつ残念なことに女性はいかなる理由があっても入山することができません。宗教上の理由から各所にある女人結界門から先には進めません。くぐったからといって電撃をくらうとか異世界に飛ばされるなんてことはありません。


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4:00
いつものセブンです。ローソンよりファミマよりホットコーヒーはセブン派です。

 

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奈良県を南下している途中、国道309号線の登石トンネルを出てすぐ右手に出てくるラーメン屋「ザ・トンネル」。通る度に毎度気にはなるものの今だ立ち寄れていない場所です。なんせ行きは朝早く準備中、帰りは中途半端な時間であまりお腹が空いていないという理由。
かなりの僻地にあり、近くに他の飲食店もなく相乗効果も見込めないこんなところに出店した理由と店名の由来がすごく気になる。トンネルを出てすぐだからこの名前なのか、それとも店主がトンネルマニアなのか。


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7:06
大橋茶屋の駐車場。土曜日ということもあり駐車場は空いています。日曜日となると前日から宿坊に泊まっている方の車で多くなるのではないかと思います。トイレは茶屋のすぐとなりです。トレイは水洗に自動照明とヘタな道の駅より綺麗です。これ大事。
茶屋で駐車料金を払います。日帰りの普通車は1000円です。


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ぬいぐるみでさえうかうか安心できないコロナの怖さよ。

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駐車料金表にて確認ください。

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清浄大橋は女性が渡ってもまだ大丈夫領域です。この先に女人結界があります。

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7:44
どん。女人結界門
先は仄暗く独特の空気感があります。女性はここまでです。

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山頂までは700mアップです。最近は楽な山にばかり逃げていたので

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8:22
一本松茶屋です。
茶屋と名前がありますが、中は無人で座って休憩が出来る程度です。蜂やらハエが多くてあまり休憩するにはオススメできません。

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そこそこ標高があるとはいえ8月のまだ半ば過ぎ、サウナのごとく汗が流れます。

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8:57
ルートで山上ヶ岳までの唯一の水場でしたが、水量が足りないのか水の影さえありません。

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9:18
大峯奥駈道の出合いに到着です。右に行けばそのまま山上ヶ岳経由で八経ヶ岳釈迦ヶ岳へ続き、左へ行けば吉野の方に繋がります。いずれは奥駈縦走もしてみたいのも夢のまた夢のまたまた夢です。やれる用意はあるものの度胸がないという致命的な問題があります。

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吉野方面。

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洞辻茶屋は有人でおいちゃんがひとりいてました。カップ麺や飲み物の販売があるようです。「ようお参り。ゆっくりしていってくださいよ」と声をかけてもらえるとほっとします。帰りに「ただいま」と挨拶したら「おかえり」と。ここを実家と呼ぶことにします。

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申し分ない天気。これだけ腫れていても午後からは雷雨の予報なので呑気ではいられません。ちゃちゃ進みます。

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9:33
洞辻茶屋からものの10分で陀羅尼助(だらにすけ)茶屋に到着。

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千と千尋の一場面のような趣。これが山の上とは。

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ちゃんと撮影の許可いただきました。「避けようか?」とおいちゃんフェードアウトしかけたところを「そこにいてください!」と半ば強制に枠の中に引き込みました。ここでも「気をつけてね」の一声が嬉しい。

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次は陀羅尼助茶屋からもう見えてる松清店。ここは閉まっていました。

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天川中学校の生徒さん作。

 

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9:38
上りは左の油こぼし、鐘掛岩の方から。下りは右から下りてきます。右は階段多し、しんどいとのこと。

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こっちの道も何やら階段が長そうなんだけど…。

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名物の油こぼしを上から。鎖なくても登れます。小学生の高学年くらいの子なら大丈夫です。

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斜度エグい。やや後ろに傾いてるし手すりが欲しいところですが、ここは修練の道。そんな甘えさえも許されないのか。

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鐘掛岩の方面はロープが張られて行けないようになっていたので大人しく迂回路へ。コロナ関係だと思います。仕方ないですが、楽しみにしていただけに残念です。色々な何かに見られているようなこの山ではロープを無視して越えていくなんておいたはしてはいけません。他の山でもやっちゃダメだけど。

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茶屋の屋根をなぞる尾根道が奥駆道です。見えてるところはほんの一部ですが、その雄大さが伺えます。

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直進すれば山上ヶ岳で左に折れれば浄心門に繋がります。

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10:08
吉野から数えて3つ目にあたる大峰山の四門のひとつ等覚門です。仏の心に近づいたことになるらしく、仏に近い語りを得ることを等覚というそうです。そんなのもこれを書きながら調べて知ったことで知っていけばまた違った角度から見れたかなと、毎回同じ後悔をしながら学ばないのがわたしです。

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ボーナスステージ突入。

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宿坊が見えました。大峰山寺はさらに少し奥になります。

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西の覗きは帰りに寄ります。

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10:27
龍泉寺山上参龍所は宿泊者でなくても中で休憩できます。

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お務めの方にお茶でもどうぞとおっしゃっていただきましたので、腰掛け遠慮なく頂戴します。中は風の抜けが心地よく汗だくでも湯気の立つ熱いお茶がとっても落ち着く不思議な場所です。
ビールやスポーツドリンクも置いてあるようなので持参した食事もとれるとおもいます。要確認ください。

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こんなとこ泊まっちゃったら現実世界に戻れない自信しかありません。

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10:46
一と二をすっ飛ばしてますが、これが四門最後の妙覚門です。仏との境にはいったことを妙覚というそうで、ここをくぐると仏になるのと同じこととなります。こんな邪心に塗れた私でも仏になれるとは。

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10:48
到着。大峯山寺日本で最も高所にある寺院です。
本堂は戦国時代に焼失し今のものは1691年に再建されたもの。再建がすでに300年も前ってだけでもすごいのに創建は734年って、疑いたくなるほどの歴史の深さ。

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相棒を物差しとして対比。ご立派。

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天皇陛下が皇太子殿下の当時に登られた記念日です。平成2年6月12日で、その日の来る2年も前から安全確保のために登山道が整備されたという話。ごくろうさまです。

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法螺貝を携えた山伏さん。徳が高そうで待ち受けにするといいことがありそうな気配さえあります。

こちらがしっかりトレッキングシューズなのに対して足袋。トレッキングシューズいらない説浮上。

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大峯山寺を背に1分とかかず頂上のお花畑です。花ないやんとかいうツッコミはスルーで。そう、クマ笹しかありません。見ての通りです。花はなくともここからの眺めは満点です。冬になったら霧氷が良さそうです。白く染った大峯山寺も雰囲気がありそうで再訪リストにすぐさま追加。日陰になるとこがないのでそそくさ退散します。標高あっても暑いものは暑い。

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11:17
たっぷり満喫して仏から人へ戻り下山します。

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西の覗き閉鎖中。許すまじコロナ。

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ここを左に折れて行きに通った松清店の休憩所へ向かいます。

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先にあった通り階段が見えないとこまで続いてます。登るとなると相当辛いな、精神的に。

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下りの最中もまだまだ沢山の方が登られていました。おそらく宿坊に泊まる方々でしょう。

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終わりが見えたこの瞬間の気持ち良さは山頂に着いた時を凌ぐくらいの幸福感があるというのが最近の研究結果です。

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下山後はルーティンの温泉。これ無しに登山は終われない。終わらない。
今回は一番近い村営洞川温泉センターに向かったのがまさかの満員で外まで人が溢れる始末。温泉で満車なんて初めての経験てますが、コロナで入場制限をしていので仕方ありません。汗ベッタベタのまま大阪まで帰るのはさすがになので急遽探し出したのがこちら。

 

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15:00
黒滝の湯、黒滝温泉として有名な地域のようです。料金は大人600円。ややお湯熱めですが、趣のあるいい温泉でした。ありがとうございます。

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温泉からの道の駅ももはや確立された流れでさす。黒滝の湯から車で1、2分のところにある道の駅吉野路黒滝。

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ここの棒こんにゃくがうまいのなんの。濃いめの出汁とピリッとした唐辛子の辛さとがクセになります。2本いくと晩飯は食えなくなるくらい腹にくるモンスターです。

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産地の野菜も充実しています。ニンニクが多いな。名産なのか?吉野が有名な豆腐や油揚げもあります。

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椎茸やら舞茸のフライから鮎の塩焼きまで。白ご飯を持参した方がいいレベルです。食卓と化します。あれもこれも何でも手を出したのでおそらく帰ったら体重増えてます。あんだけ歩いたのになー。

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もうひとつ帰りに寄ったのがn回目となる道の駅葛城。お世話になります。ここは今まで寄った道の駅の中でもベスト3に入る品数の豊富さと安さです。近くに移住するのを考えた程です。うそです。
フードコートもあって一度入ると抜け出すのがなかなか困難です。気をつけましょう。

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そして抜け出せなくなったおっさんふたりがジェラートを食べる様子。はたから見てたらキツいだろうなと思いつつもジェラートの魔力は協力です。安曇野、近江、他。いくところにあれば不可避です。
まだまだゆっくりしたいところですが、奥さんと子供をおいてきているお父さんとしてはそろそろタイムリミットと言うことで健全に18時に帰路につきます。ま、黙って山に行かせてもらってるだけで文句なんていえません。

登山を終えて

『女性が登れない山がある』と昔なんかの番組で、それこそ登山を始める前に偶然知って頭の隅にぼんやりあった山上ヶ岳。登る日が来るなんてその当時はまったくもって思っていなかったはず。人生とは不思議なもんでつなってるようです。道中、樹林帯の中を行くことが多く、眺望を楽しむ山というよりは修練の路の独特の雰囲気を肌で感じ、体感する山ではないでしょうか。大峯奥駈道の縦走するにせよ、冬季にくるにせよいずれ必ず来訪します。登れない方のために少しでも行ったつもりになってもらえたらこれ幸いです。

おしまい。