山のある休日 - Go mountain -

山に登って、思ったこと感じたことを率直に伝えていきます。その先に「山っていいな」「登山はじめてみようかな」と思っていただければ。

武奈ヶ岳【滋賀県】|雪化粧した比良山地で入門雪山登山

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2019年1月19日


滋賀県武奈ヶ岳にいったときの話です。これが私的2019年の登山開きです。

比良山地の最高峰にして標高は1214m。日本200名山のひとつです。関西で登山をしている人で名前を知らない人はいないだろうというくらいには有名な山です。

今回のパートナーY氏が初の雪山登山ということもあり、軽アイゼンでも比較的登りやすい山、あとはコースということで葛川市民センター駐車場から御殿山経由で武奈ヶ岳山頂を目指す雪山入門でよく紹介されている王道ルートです。帰りは来た道をピストンです。
ルート途中、12本アイゼンで登っている人も数名いましたが、個人的には軽アイゼンでも十分です。もちろん、その時々の積雪や雪の状態にもよりますが。ちなみに私はチェーンスパイクで行きました。結果からいうと登れなくないですが、軽アイゼンで行けばよかったというところです。
手持ちにチェーンスパイクしかなく、これを読んで登ってみようと思われた方は軽アイゼンを買って持って行ってください。きっと後悔します。私みたいに。

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9:25
Y氏を行き道で回収し、今回のスタート地点葛方市民センターに車を停めます。
駐車場付近の道はシャバシャバのミゾレとところどころ凍結した箇所が混じった状態。ノーマルタイヤではここに着くまでに下山となりますのでそれ相応の準備をお願いします。ちなみに私はスタッドレスも履いたデミオです。快適無敵。

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登山口へは車で渡ってきた橋を一旦戻ります。
脇の歩道はツルツルなので歩くときは滑らないよう注意が必要です。

橋を渡り、道沿いに左へ進むと公衆トイレがあり、その奥に登山口へと続く道があります。

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9:35
負傷者、死者も昨年からほぼ横倍のようです。
アウトドアブームにのっかり、これから登山を始めようと思ってらっしゃる方は気をつけてください。今の世の中、ググって何でも情報収集出来ちゃいますが、お近くの専門店できちんと山を体験している店員さんに直にアドバイスをもらい、アレコレ揃えて準備することをオススメします。

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ここの画が結構お気に入りです。渡って階段をあがります。

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雪山に来たら汚れるのは覚悟です。駐車場でゲイターは着けて出発した方がいいですね。

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最近、クライミングに目覚めたらしく久々に会ったら少したくましくなっていたY氏。1年前は小鹿のように華奢だった面影はなく、私よりいい腕っぷしです。

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でもこのありさま。クライミング技術は上がっていても、今日の登山ではそれを発揮でするところがなく、初の雪山に翻弄されていました。
足をすべらせ、後方で「わっ!」「きゃ!」を連呼しています。
本人は楽しんでいるようですが、早くも両手をついてハイハイ状態です。先が思いやられます。

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初めての冬の比良山地なので、例年との比較ができませんが、関西有数の積雪を誇る地域にしては少し弱いような気がします。
2月に入ればもっと真っ白な山々を望めるのでしょうか?

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Y氏いよいよ人生初の軽アイゼンです。あれだけ後で悲鳴あげるなら何故もっと早く着けろし。とか言っても本人はあの滑る感覚が楽しかったようで。山を満喫してもらえてるならそれで良しとします。

おうちで練習してきたにもかかわらずわちゃわちゃしていると近くにいたおばさまがレクチャーしてくださりました。
このことから学んだ教訓は山を愛する人は例外なくみんなやさしいです。

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積雪期と無積雪期でルートが分かれています。

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標識がギリギリ隠れない絶妙な積雪加減です。計算して建てられたのでしょうか。

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お天道様は厚い雲の向こうです。今日は1日中こんな天気のようですが、山に登る人間としては曇りは限りなく晴れに等しいです。いや、もうこの際晴れとします。
ホントは青空と霧氷のコントラストを楽しみたいところですが、贅沢は言えません。
来週も別の雪山を予定しているので青空はそちらに期待です。
今日は2019年初登山を目いっぱい楽しみます。

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12:10
御殿山の山頂に到着しました。
シートが2枚引けるかどうかとこじんまりとしています。
ここから見る右上の奥のコブが武奈ヶ岳の山頂のようです。一度ぐっと下って登り直しす、登山あるあるの人生と同じまさに山あり谷ありです。

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なにもないのでワサビ峠はスタスタ通過します。

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遠目に見ても斜度が…。嫌な予感がいます。後を歩くY氏は直立不動でどっかに飛んでいきそうなくらい首を横にブンブン振り、断固としてここを動きませんという意思表示をしています。

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写真ではわかりにくいですが、まーキツイです。
坂のない泉北地域に住むY氏には壁に見えるようです。危ないとかはないにしても、トレッキングポールくらいはないと辛いと思います。

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登りきって辺りを見渡すと粉砂糖をまぶしたガトーショコラな山並みが広がります。写真真ん中少し右のひときわ白いのが蓬莱山の琵琶湖バレイです。5月になれば山頂がスイセンの花で黄色く染まります。その時期にしか登ったことがないので、雪の蓬莱山も登りたい候補上位にいます。

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趣味でマラソンもしますが、それと同じで先が見えてしまうと遠く感じてしまう現象です。山の神様はそれほどあまくはないようです。


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後ろではぁはぁ言ってる割にカメラを向けたらキチンとポーズをとるヤツ。レンズを下に向けた瞬間膝に手をついてキッツイ!と叫んでました。オンオフのスイッチすげーな。


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13:15
駐車場から4時間弱。山頂に到着です。おそらく普通にいけば3時間くらいで登れるはずのルートですが、まさかの1時間押し。腰を下ろした亀は今も肩で息をしています。

亀の息が整ったところでお昼にします。少し風があるものの、寒さには強いふたりなので問題ありません。えらく静かな山頂だったはずが、学生時代の昼休みの教室かのようなくらいふたりだけで賑やかな山頂にしてしまいました。でも、風に耐えれずすぐさま引き返す登山者ばかりでか貸し切り状態だったので問題ありません。贅沢なお昼の時間です。

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お昼を終えたタイミングで雪がチラつき始めたので退散します。こんな遮るものが何もないところで吹雪かれたらと想像しただけでゾッとします。
退散前の1枚。お気に入りのだそうで本人曰く、登山熟練者っぽいとのことです。亀のくせに。

とぼとぼ来た道を戻り、登山口に戻ったのが16:50で、そのあとはくつき温泉てんくうに寄って帰宅しました。葛川市民センターの駐車場からはおよそ20分です。写真と撮り忘れましたが、浴場は広く、とても快適な時間を提供してもらいました。

いろいろ寄って帰りたいところはあったのですが、亀(Y氏)のせいでレンタカー返却の時間が差し迫っていたので、楽しみは次回に先送りし、帰路につきました。

よっぽど疲れていたのか温泉を出たらのび太くんのスピードで寝息を立てていました。行きも帰りも運転させておいてなかなかいい度胸です。クライミングでは体だけじゃなく精神まで鍛えられたようです。

登山を終えて
今回のルートは終始危ない箇所もなく、軽アイゼンで快適に登ることができました。多少の体力はあった方がいいのはY氏からの教訓で、技術は必要ないので雪山デビューされる方にもオススメです。
まだ冬の時期以外の武奈ヶ岳を知らないので再訪もきっと早いうちにしています。調べてみると青ガレと呼ばれる名物箇所があるようなので、そこを含めたイン谷口のルートで登ろうと思います。

 おしまい。